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Dentistry一般歯科

虫歯の原因は何だと思いますか?

これは、お口の中の虫歯を作る細菌が過剰になってしまい、その虫歯を作る細菌が酸を放出し歯の表面を溶かした状態(歯の脱灰)を虫歯と呼んでいます。
しかし、虫歯はこの細菌だけの作用だけでなるのではありません。虫歯に関わる他の要因も深く関わっているためです。*

虫歯に関わる因子

これまで、虫歯はお口の中の汚れ(細菌)を取り除くために口腔内清掃をきちんとすれば起こらないと思われていました。しかし、どうやらそれだけでは、虫歯の進行を止めたり虫歯の予防が上手くいかないことが分かってきました。勿論、お口の細菌は、絶対条件なんですが十分条件ではないのです。言い換えると、細菌以外の要因、フッ素、食餌(糖分)等々、その他の要因が深く関係しているのです。つまり、抵抗性因子(フッ素、唾液、口腔内クリアランス、口腔清掃)と攻撃性因子(食事、細菌、根面の露出)のバランスが重要になります。

正常虫歯

虫歯の治療

北欧、スカンジナビアは歯の予防大国で予防歯科と言えば北欧と云うくらい予防歯科が世界で最も進んだ国です。しかし、この北欧も実は、数年前までは日本と同じように虫歯人口が多い国でした。では、なぜ今の北欧は虫歯が少ないのでしょうか?それは、国民全体が虫歯に対する考え方を変えたからです。それまでは、虫歯= 削って、詰めて、お金払うのが北欧の一般歯科医院で行われていた流れです。

しかし、スウェーデン王立イエテボリ大学カリオロジー科(虫歯の専門科)のBo Krasse 教授 らによる調査・研究により劇的に変わりました。そこでスウェーデンでは、これらの調査結果に基づいて歯科医師が歯を削ることを辞め虫歯にならないように予防処置を提唱しました。もし、虫歯の原因となる原因治療なしに単なる虫歯の穴を塞ぐ詰める治療のみが行なわれた場合、虫歯の進行は食い止められずに虫歯の治療が繰り返される事が想像できるかと思います。そこで原因除去治療を含む予防的処置が重要となります。

北欧では予防処置としてカリエスコントロールが虫歯の主な治療方法となっています。その中でも特にフッ素の虫歯予防効果を強く推奨しています。しかし、私がスウェーデンで行った虫歯予防の研究調査では、フッ素製品の使い方次第で予防効果が変わる事も分かりました。**

カリエスコントロールとは?

カリエスコントロールとは、歯の脱灰と再石灰化のバランスをコントロールすると同時に再石灰化をも促すことにより、う蝕症(虫歯)を進行・発生させないことです。***

(参考文献)
  • *吉野隆司 カリエス・コントロールの重要性 (スカンジナビアンスタイル 口腔メインテナンス) -- (根面う蝕への対応) DH style 2(10), 40-45, 2008 デンタルダイヤモンド社
  • **Mystikos C, Yoshino T, Ramberg P, Birkhed D. Effect of post-brushing mouthrinse solutions on salivary fluoride retention. Swed Dent J. 2011;35(1):17-24.
  • ***吉野隆司, Jan Derks, Dowen Birkhed. カリオグラムによるカリエスリスク評価方法は歯周疾患患者に有効か? 歯界展望 2012 Vol.119 No.2 p326-331.

虫歯はこうして進行します

初期の虫歯
C1初期の虫歯

歯の表面はエナメル質で覆われており、虫歯はまずエナメル質に発生します。エナメル質が虫歯になると、光沢がなくなり白っぽくザラザラした感じになります。虫歯は上の歯と下の歯の噛み合せの部分や、歯と歯の間などに発生しやすく、この段階ではまだほとんど痛みはありません。

歯の内部まで進行した虫歯
C2歯の内部まで進行した虫歯

エナメル質の内側には象牙質がありますが、虫歯が象牙質まで進むと虫歯の部分が黒く見え、冷たいものや熱いものを食べた時に歯が痛むことがあります。

神経まで進行した虫歯
C3神経まで進行した虫歯

象牙質の内側には、神経や血管が密集した歯髄があります。虫歯がさらに進行して歯の神経まで虫歯菌に感染してしまうと歯髄炎となり、歯がひどく痛みだします。こうなると、虫歯になった部分の歯を削るだけでなく、歯髄まで取らなくてはなりません。この段階まで進むと治療が終わるまで時間がかかるうえ、歯髄を取ると歯がもろくなってしまいます。

歯の根(歯質)が失われた歯
C4歯の根(歯質)が失われた歯

虫歯によって歯の上の部分がほとんど溶けてしまい、歯の根に当たる歯根まで虫歯が進行した状態を残根といいます。このような歯の根だけ残った部分の先端、すなわち歯槽骨(しそうこつ)の中に膿の袋ができることがあります。この膿の袋が炎症を腫れてきます。ここまで進むと歯を抜かざるをえなくなる場合が多くなります。

Dentistry歯周病

歯周病は日本の成人の約80%が患っていると言われています。
歯周病は虫歯などと異なり、痛みなどの自覚症状がほとんどありません。そのため、気付いた時にはかなり症状が進行しており、抜歯しなければならないということが多々あります。

また、歯周病はお口の中だけではなく、糖尿病や心臓病などの全身疾患や、早産・低体重児との関連性が報告されています。歯科医院での検査、歯周病菌や歯石の除去を定期的に行い、生活習慣を改善することで、お口だけではなく、全身の健康を守ることができる可能性が示唆されています。

歯周病の治療はどこでしますか?

歯周病の治療は、基本的にどこの歯科医院でも行うことができます。しかしながら、多くの歯科医院では、歯周病の専門的知識(科学的裏付けに基づく治療)や技術を持っていないため、治療の経験値だったり、自己流で行われている場合が多いと思います。勿論、中にはしっかり歯周治療を行っている歯科医院もございます。

最近では、さまざまな情報がインターネットを通じて得られます。しかし、残念ながらその中には、なにも科学的根拠が無い情報や治療方法を紹介しているものが多く見受けられるのも事実です。これを患者様が正確に判断し正しい情報や治療方法を区別するとはできません。そこで、歯周病専門医のライセンスを持つ歯科医師や歯科医院が一つの指標となるわけです。日本歯周病学会が認定する歯周専門医は、厳しい試験と審査に合格した者だけがなれる厚生労働省から広告が認められている数少ない専門医なのです。これは、歯周病に関して専門的な知識と技術を有する者のみに与えられる称号なのです。ですから、歯周病治療を希望される患者様の一つの判断基準となります。

当院の院長は歯周病専門医です

日本歯周病学会認定歯周病専門医とは

日本の歯科医師人口は、平成22年現在で10万人を越えています。
その一方、歯周病の専門医の数は、平成24年約1191人しかいません。わずか0.01%です。歯周病の治療は、一般治療と同じように歯科医師免許を持っている人でも治療はできます。なぜ歯周病専門医が少ないのかというと以下のような研修を受け、厳正な書類審査と試験に合格しなくてはならないからです。非常に取得するのが難しい資格です。そして歯科医師免許は一度とってしまえば永久ライセンスですが、 歯周病専門医の資格は資格更新のために5年ごとに生涯、新しい技術や知識を研鑽し維持・更新しなくてはならないのです。患者様には、そんな知識、技術、経験をもった歯周病専門医なら安心して予知性の高い歯科治療およびインプラント治療など、包括的歯科治療を受けてもらえるはずです。

専門医と認定医の違い

日本歯周病学会歯周治療における専門的知識と技術を有する歯科医師を育成するとともに、国民の口腔保健の増進に貢献することを目的として認定医、専門医の資格を設けております。それぞれの資格の概要は以下のとおりです。

  • 認定医:
    基本的な知識と技量をマスターした上で、認定医試験に合格した歯科医師。
  • 専門医:
    5年以上研修施設で研修して、専門的な歯周治療の知識と技量をマスターした上で、専門医試験に合格した歯科医師。

専門医

※引用:特定非営利活動法人 日本歯周病学会