歯無しのはなし26 [歯周病の治療が大腸がんを防ぐ]|さいたま市北浦和駅の歯周病専門医がいる歯科・歯医者|よしの歯科クリニック

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歯無しのはなし26 [歯周病の治療が大腸がんを防ぐ]

Column

歯無しのはなし26 [歯周病の治療が大腸がんを防ぐ]|さいたま市北浦和駅の歯周病専門医がいる歯科・歯医者|よしの歯科クリニック

こんにちは、北浦和、よしの歯科クリニックです。
今回取り上げたお話しは、歯周病の治療と全身疾患のリスク低減についてです。

お口の中にはフソバクテリウム・ヌクレアタム菌(Fusobacterium nucleatum 菌)と呼ばれる歯周病を起こす原因菌の一つと考えられ、歯周病の発症に深く関わる細菌が存在します。しかし、近年、このフソバクテリウム・ヌクレアタム菌が大腸がんの発症や進行にも関連性があることが次々と多くの研究報告で分かっており、非常に注目されております。

そこで、今回は下記の論文を取り上げたいと思います。

“A prospective interventional trial on the effect of periodontal treatment on Fusobacterium nucleatum abundance in patients with colorectal tumours”
Tsutomu Yoshihara et al. Sci Rep. 2021.

この研究論文では、歯周病の治療が大腸内のフソバクテリウム・ヌクレアタム菌の量に影響を与えるかどうかを分析•評価しました。

試験は、内視鏡検査を受けた大腸腫瘍患者;
1. 歯周治療が成功した大腸腫瘍患者16名と歯周治療が上手く行かなかった大腸腫瘍患者11名で歯周治療前後で採取した便中のフソバクテリウム・ヌクレアタム菌の量を比較検討しました。
2. さらに、被験者は、歯周治療後に大腸腫瘍の内視鏡切除を行い,切除腫瘍を病理学的に高悪性異形成(HGD)患者、または低悪性異形成(LGD)患者に分けて、フソバクテリウム・ヌクレアタム菌の量を比較検討しました。

その結果、
1. 歯周治療の結果が良好だった患者の便中のフソバクテリウム・ヌクレアタム菌の量は、歯周治療が不良であった患者と比較して有意に減少していた。
2. 歯周治療前に採取した便中のフソバクテリウム・ヌクレアタム菌の量は、低悪性異形成(LGD)患者群の方が高悪性異形成(HGD)患者群に比べ有意に少なかった。

これらの結果から、適切に歯周病治療が行われた患者さんは、大腸中のフソバクテリウム・ヌクレアタム菌の量を低下させ,大腸がんの発症リスクを防ぐ可能性を明らかにしました。

これまで、歯周病は大腸がん以外にも糖尿病や動脈硬化、あるいは脳卒中などの全身性の疾患と強く関連していることが分かっており、歯周病と全身疾患との関わりについての関心がより高まっています。

歯周病でお困りの患者様へ、全身疾患のリスクを低減させるために一度歯周病専門医へ受診してみてはいかがでしょうか。

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