こんにちは、北浦和 よしの歯科クリニックです。
最近、患者様から歯並びについてのご相談をよく伺います。その中で必ず聞かれるのが歯周病にならないように歯科矯正をしなくてはいけませんか?や歯並びが悪いと歯周病になりますか?と云うご質問を患者様から頂戴します。
勿論、多くの歯科医師が歯周病が進行しない様に歯科矯正治療を提案する事も事実ですし、実際に歯科医師のセミナーに参加した時に歯周病を治療するなら歯列不正も治療しなければならないと熱弁を振るっていた先生がいらっしゃいました。
そこで、今回は歯並びが悪いと歯周病が進行し、矯正治療が本当に必要なのかどうかを述べて行きたいと思います。
今回も、スウェーデン王立イエテボリ大学で行われた下記の論文を取り上げてお話しして行きたいと思います。
A clinical study of the relationship between crowding of teeth, plaque and gingival condition.
B Ingervall et al. J Clin Periodontol. (1977)
この論文は、歯並びと歯周病疾患の関係を述べる時に必ず引用される非常に重要な論文です。そして、この研究は、若年成人において歯並び不正(歯の叢生)が口腔清掃状態や歯茎の状態に影響を及ぼすかを検証するために行われました。
検証方法)
•被験者は、50名の歯学部学生(男子30名、女子20名),21歳〜32歳(平均24.4歳)で、被験者の歯型を取り石膏模型上で歯並び不正(叢生)と正常な歯並びの診査を2名の診査者で行なわれました。歯並びの不正部位をテスト部位とし、歯並びが正常な部位をコントロール部位(多くはテスト部位の対側)として比較検証しました。
•診査は、口腔清掃状態、歯肉の状態、歯周ポケットの深さ、レントゲンでの歯槽骨の状態について行なわれました。
•検証の開始時に診査が行われた直後に歯間部の清掃器具を中止し、40日間は通常の歯ブラシのみ行ってもらい再評価を行いました。再評価後、糸ようじ(デンタルフロス)の使い方の指導が行われて、140日後に最終診査が行われました。
結果)
若年成人の歯並び不正は、1)歯垢(歯に付く細菌)の蓄積を促進せず、2)歯肉の炎症程度に僅かな影響しか与えなかった。
これらの結果から、歯並び不正(歯の叢生)があったとしてもそれ自体が歯周病や歯茎の炎症を生じさせたり、助長させるわけではありません。すなわち、歯並び不正が歯周病の直接的な要因にはならず、あくまでも間接的な要因でしかありません。ここで、強調しておきたいことは、今回の被験者たちは、歯並び不正がある部位にフロスの使用を適切に指導されていたことが重要です。つまり、口腔清掃の補助器具などを使用して磨く事により、たとえ歯の歯列不正があったとしても歯周組織を健康に保つことが可能なのです。
ですから、歯列不正があるから歯周病の進行や歯周病を予防するための歯列矯正治療は、それだけでは適応症とはなりません。これは、北欧、スウェーデンでも同様の考えです。
歯並び不正(歯の叢生)があったとしても、日々の口腔清掃で歯周病を十分に予防する事が出来ます。
歯周病でお困りの患者様へ、一度歯周病専門医を受診してみてはいかがでしょうか。
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