こんにちは、北浦和 よしの歯科クリニックです。
最近、患者様から”先生、水圧式口腔洗浄器てどうなんですか?”と云うご質問を良く耳にします。
そこで、今回は”水圧式口腔洗浄器”について話して行きたいと思います。
皆さん、”水圧式口腔洗浄器”て聞いた事ありますか?
これはどんな物かと云うと、水圧で口腔内の歯や歯茎の周りに付いた汚れ(細菌)や食べかすを洗い流す装置です。いわゆる、口腔ケアを行うための道具の一つです。商品名では、”ジェットウォッシャー”や”ウォーターフロス”がこれに当たります。
では、この”水圧式口腔洗浄器”は効果的に口腔ケアの質を改善するかどうかを見ていきたいと思います。
今回ここで取り上げる論文は、歯と歯の間の清掃効果について調べたスウェーデン•マルメ大学から出された、“機械式歯間部清掃器具は効果があるのか?”と云う下記のシステマティックレビュー論文を見て行きたいと思います。
Efficacy of power-driven interdental cleaning tools: A systematic review and meta-analysis
Pia Edlund et al. Clin Exp Dent Res. 2023 Feb.
このシステマティックレビューは、ある程度、質の高い複数の研究論文を同定、抽出、選択、統合評価を行ったものです。
比較)
1:『通常の歯ブラシのみ』 vs 『通常の歯ブラシ+水圧式歯間部清掃器具』
2:『通常の歯ブラシ+糸ようじ(フロス)』 vs 『通常の歯ブラシ+水圧式歯間部清掃器具』
3:『通常の歯ブラシ+糸ようじ(フロス)』 vs 『通常の歯ブラシ+電気機械式歯間部清掃器具』
結果)
1:では、『通常の歯ブラシのみ』に比べて『歯ブラシ+水圧式歯間部清掃器具』の方が歯茎の炎症が少なかった。しかし、ここが重要なのですが、不思議な事に肝心な汚れ具合、つまり細菌の歯への付着状況はどちらも同程度でした。つまり、清掃効果には変わりが無かったと云う事です。けれども、細菌が引き起こす原因の歯茎の炎症程度に違いがあるのです。論文では、あくまで仮説として、水圧式清掃器具を用いると”細菌の質が変化したのではないか?”や”食べかすの除去が要因ではないのか?”と云う事を挙げていますが、実際のところ研究自体が短期間なので良く分かっていないのが現状です。(但し、細菌の付着具合に関する科学的根拠の質は、低いと評価、また、炎症の程度に関しては、中程度と判断)
2:では、歯ブラシ後に『糸ようじ(フロス)』を使っても『水圧式清掃器具』のどちらの補助器具を使用しても歯茎の炎症程度に違いがありませんでした。(但し、この科学的根拠の質は、低いと評価)
3:では、歯ブラシ後に『糸ようじ(フロス)』や『電気機械式歯間部清掃器具』を双方の補助器具を使っても、細菌の付着具合や歯茎の炎症程度に違いがありませんでした。(但し、この科学的根拠の質は、低いと評価)
結論)
歯間部の清掃について検証した結果では、科学的根拠に乏しいため、必ずしもこれらの水圧式口腔洗浄器の使用を推奨するまでには行きません。
歯ブラシ後は、必要に応じて通常の歯間ブラシやフロスで十分ですが、どうしても上手くこれらの補助器具を器用に使えない場合やお年寄りには、このような『水圧式口腔洗浄器』が有効になるでしょう。
歯周病でお困りの方、一度歯周病専門医を受診してはいかがでしょうか。
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