先日、紙面にこんな記事を見つけました。「鹿児島大学病院 、抗生物質効かない耐性菌、入院患者ら8人死亡」
以前にコラム [歯無しのはなし6]に書きましたが世界で耐性菌が多く出現する国は日本です。なぜなら、日本では多くの患者様が抗生物質を服用しているからです。欧米では、本当に必要な場合以外は出されません。
近年アレルギーをお持ちの方々が年々増加していることをご存知でしょうか?
この理由に我々が以前に比べ細菌に曝される機会が減ってしまったためにアレルギーが増えたと考えられています。一般的には、細菌と聞くと汚い悪者と思ってらっしゃる方が大半ではないかと思います。しかし我々が生きて行くためには細菌は欠かせないものなのです。我々の体に住み着いている細菌を常在細菌と呼ぶのですが、実はこの常在細菌が未知のウィルスや外来強毒細菌から我々の体を保護してくれているのです。さらに、我々の免疫機能も調整してくれているのです。仮に清潔で細菌のいない体の場合は、どうなるか?このような状況が続くと免疫機能は長い間低下をしてしまい、我々にとって安全なものが体の中に入って来た時に誤って免疫機能が誤作動を起こし攻撃し始めます。これがアレルギー反応と考えられています。つまり免疫機能を正しく調整して正しく機能させておくためには細菌に曝される必要があるのです。
お口の中の細菌も同様でお口の殺菌や除菌をし無菌にしてしまうとお口の中の免疫機能低下や弊害が生じることは容易に想像がつくと思います。したがって、お口の中の細菌も虫歯や歯周病を起こす細菌を可能な限り増えないようにして、健康なお口の中の常在細菌を維持する事が大切なのです。特に欧州(ヨーロッパ)の歯周病専門医の中では、虫歯や歯周病の治療にこの考え方が反映されています。しかし、残念ながら日本では殺菌剤や抗生物質などのお薬を使ってお口の中の細菌を殺菌・除菌する考えの先生がいらっしゃいます。日本歯周病学会でも、このような治療には警鐘を鳴らしています。
全ての細菌を排除するよりも常在細菌と上手に長く付き合う方法を考えた方が体の健康には良いのではないでしょうか。
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